瓶詰めのホムンクルス。

『ファウスト』を観賞。

画像


ロシアの名匠アレクサンドル・ソクーロフ監督が、文豪ゲーテの古典を映画化したヴェネチア国際映画祭グランプリ(金獅子賞)受賞作。生きる意味を探し求める善良な男ファウスト(ヨハネス・ツァイラー)が、彼を誘惑する悪魔の出現によって運命を大きく揺さぶられていくさまを、監督の自在な解釈と幻想的かつ荘厳な映像美で描き出していく。

ソクーロフ監督作で観たのは『マリア』『太陽』くらい。
面白いかと問われれば、うーん。
刺激的かと問われれば、そうだ、と応えるだろう。
原作は残念ながら未読だが、おそらくクリエーターを惹き付けるのだろう、何度も作品化されている。
そこで描かれるのは大抵、ファウストの“真の知”を追い求める、狂気に駆られた姿(だったような…)。
だが、本作はそちらは後景にあり、むしろ人間の本性が前面に出されている印象だ。
ファウストを堕落(と言えるだろうか?)の道へと誘う高利貸しのマウリツィウス・ミュラー(アントン・アダシンスキー)が差し出すのは美しい少女マルガレーテ(イゾルダ・ディシャウク)なのだ。
一目で少女に魅かれてしまうファウストは、時代が違えば単なる変態オヤジだ。
折角、“契約”を交わしたにもかかわらず、彼女の股間に顔を埋めるだけだし。
ともかく、彼を突き動かすのは“肉欲にすぎない”のだ。
しかし、それこそが人間。
様々な学問を修めようと本性は変わらない。
ラストは“地獄”であろうが、そこを行く彼に後悔は見られない。
“永遠の孤独”を彷徨うことになろうとも…。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック