か~ぜの神送ろ!

『特選!!米朝落語全集 第二十集』を観賞。

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“人間国宝”桂米朝の落語を収めた永久保存版映像作品集。平成2年9月18日大阪コスモス証券ホールで行われた高座から
「風の神送り」、平成3年8月19日大阪コスモス証券ホールで行われた高座から「どうらんの幸助」の2演目を収録。

そもそも「風の神送り」とは、風邪がはやる時、その疫神を送り出す呪の行事で、風の神に擬した人形をかつぎ、鉦や太鼓で
囃し立てて練り歩いて町送りにし、最終的には川に流してしまうもの。
いかにも日本的な風習だと思うのだが、さすがに今は廃れてしまっている。
この「風の神送り」をしようと若い衆たちが寄付を集めに町内を回る、といった噺。
明治頃にはすでになくなりつつあった風習を題材に取ったこの噺を復活させたのが米朝師匠。
行く先々でのやりとりが面白いのだが、そこに描かれる当時の雰囲気が楽しい。
祭りが残っている土地というのは、いまだにこういうやりとりが多かれ少なかれあるのかも…。

「どうらんの幸助」は苦労して割り木屋の主人になった“胴乱の”幸助。若い頃から働くことのみをしてきたため、これといった道楽がない。
しかし、唯一の趣味が人の喧嘩を仲裁しては馳走すること。たまたま、通りかかった稽古屋から聞こえてきた浄瑠璃『お半長』を
本当の話と思い込み、意気揚々と舞台となった柳馬場押小路に出かけるが…という噺。
“胴乱”は革で作った方形の財布、印や薬を入れ腰にさげたもので、常にそういう格好で出歩いていたため、こういうあだ名がつけられた、
といった程度で本筋自体にはほとんど関係がない。
またこの噺の肝である、浄瑠璃の『お半長』も知っている方が楽しめる。
当然私は知らないのだが(笑)、米朝師匠の丁寧な運びで筋を知らずとも十分に楽しめる。
この『お半長』は正式には『桂川連理柵』というそうで、京の柳馬場押小路に住む帯屋長右衛門と信濃屋の娘お半とが恋に落ち、
桂川で心中する悲劇。胴乱の幸助が聞いたのは間が悪いことに(笑)、「帯屋の段」という姑の嫁いびりの件であったため…という展開になる。
幸助の勘違いぶりが可笑しいのだが、考えてみると多かれ少なかれ皆同じような経験ってしてますよね。

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