幻影を追い求める。

『わが青春のマリアンヌ』を観賞。

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美しい湖を望むインゲリシュタット館で寄宿生活をする身よりのない少年たちの仲間に、南米アルゼンチンから来たヴィンセント(ピエール・ヴァネック)が加わった。ギターをつま弾き優しい歌を唄い、動物たちにも好かれるヴァンサン。そんな彼を仲間の不良連中は、新入りの試練を与えようと向かいの“幽霊城”と呼ばれる古城へ連れていく。だが、番人に犬をけしかけられて彼一人おいて逃げ帰ってしまう。そこで彼は、自らを囚われの身だという美少女マリアンヌ(マリアンヌ・ホルト)に出会い、心奪われてしまい…。ジュリアン・デュヴィヴィエ監督。

非常に雰囲気のある作品。
順番は逆なのだろうが、『トーマの心臓』など萩尾望都作品を思い浮かべた。
主人公のヴィンセントに不思議な力があるのがミソ。
彼の周りには常に動物が寄り添っているのだ。
そんな彼が“幽霊屋敷”で美少女マリアンヌと出会い、一目で恋に落ちる。
マリアンヌも、初対面のはずのヴィンセントに“あなたを待っていた”とささやく。
だが、彼女は“男爵”に囚われれているという。
後ろ髪引かれる思いで屋敷を去る彼だったが、その日からは寝ても覚めても彼女のことばかり。
そんな日々が続くが、ある日彼女からの“助けて”という手紙が届き…。
世間から隔絶された舞台で展開する物語。
不思議な力を持つ少年。
屋敷に囚われた美少女。
こういった設定と美しい白黒画面により、耽美的な作品になっている。
面白いのは、こうした作品であるのに、時に残酷なエピソードも挿入されているところ。
特に、ヴィンセントに恋する館長の姪のリーズの最期など、かなり悲惨だ。
だが、こういった残酷さがあるからこそ、美しさが際立つと言えるのかもしれない。

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